World went away
味を覚えているか
その場所に
今も すぐに戻れる
これ以上 夢を見たくない
こだまする 思考
自分自身から
記憶のギャラリーから
逃げようと
何度も信号を無視して
走り出したけれど
ふさいだ目に 赤黒い光は 射し込み
自分から逃げる ために
階段を降り続けて
脚はボロボロになった
帰るところはない
ないものを 作ることも ない
どこかで
毎日
違和感を抱えて
鼻の奥のにおいを
タバコの煙と吐き出して
ただ
ひとつを願う
新しい 日々を
過去と 切り離された
僕の 人生を
繰り返し訪れる あの時の 再現から
解放を
僕が決めて
僕のために
僕が生きる
なぜそれだけが
こんなに 難しいのか
火傷するくらい暑い
シャワーで 体を流し
排水溝に 吸い込まれていく
生臭い 記憶を 眺めながら
とりあえず また
一日
出口の見えない
毎日
閉じ込められた 犬のように
まわる
気が遠くなるほどに
繰り返す夜
僕は まだそこにいる