まるで ろくでもない 日
ポケットに手を突っ込むのは
だいぶ前に直った癖
吸殻もあまり
もう落ちていない
愚かで 投げやりで 綺麗だった あの子と
会わなくなって もう 何年だろうか
僕のいるここは
清潔な微熱を 発してる
ドキドキしなくなって
もう どれくらいの 小さな嘘を
たとえそれが
やさしさでも
どれくらいの 小さな嘘を
重ねただろうか
東京
どこかに あの子も あの人も いる
出会っても 知らないふり
僕らはいつも
出会っても 知らないふり
東京
Penal servitude
表 裏
表の 夜
裏の 朝
善意 笑顔
支払い
査定
たばこ
定期券
恋
食事
セックス
ふざけんなよ
全部
街から消えろ
そして僕は
むなしい むなしいと
独りよがり
窓の外
ひとりは
自由で
無限で
とても とても
とても
さみしい
窓の外は
近くてとても 遠い
僕は 死に
生き返る
繰り返し
ひとりは
自由で
勝手で
とても とても
そう
焦がれている
どこかに
帰りたい
ない所に 帰ろうとする
僕は
うろうろと
半分夢
半分現実
またかまたかと
嘆いてる
安心をくれよ
どんな恥ずかしいことでも
するからさ
晴れとわがまま
本当のひとりとは違うとしても
僕は ひとりぼっちだ
人は
そう思うもの
道を歩いて
いくつもの 綺麗な ディスプレイを素通りし
ゆらゆら揺れる 若い人間
じっと 疲れた 老いた人間
全てを素通りし
ひとり部屋で
それでも ほんとうのひとりではない
けど人は
けど僕は
ぼくは ひとりぼっちだ
そう
思うのです
埋まらない ドーナツの 穴
とても 寂しいよ
どうしていますか
元気に 過ごしていますか
落人
鳥が来て
横たわる体を
啄んでゆく
皮膚や 肉 内臓が
丁寧にむしられ
骨だけになる
そして
長い年月をかけて
骨は埋まり
そこに
木が生えて
雨を受ける
優しい
途方もない時間の中
の
一瞬のような
わずかなひと時
gone,still
浮かべるだけ
遊ぶだけ
試すだけ
交わすだけ
出会っても 知らないふり
試すだけ
背負うだけ
疑うだけ
重なるだけ
出会っても 知らないふり
APPLE
僕は
心配ばかり
あなたは
根を張っていたかは
分からないけど
僕の心配は
あなたを 追い詰めた
僕は 水のない球根
硬く
萎んでいる
あなたを
照らしたかったよ
マシュマロに
なりたかった
僕は
硬く 硬く
萎んだ
球根
やり直したい
脳よ
開け
時間よ
正しく
動け